「ベンジャミン・バトン」の中の介護の映画レビュー

ベンジャミン・バトンは老人の姿で生まれ、成長と共にどんどん若返っていくというある男性の物語。生まれたばかりの姿はまるでしわくちゃの年寄りで、母親はショックで死んでしまう。

10代では70代位に、30代から40代位では年相応の姿で結婚して子供も授かるが、どんどん若返って行く見た目にパートナーとの別れを決心し、姿を消す。

次に現れた時は10代の少年の姿だったが、認知症の症状が進んでいて、反抗期の少年のようにしか見えない。

中身は老人であってもどんどん幼くなっていくその外見に、認知症がもたらす奇想天外な言動に手を焼きながらも、介護者は愛情を注いでいく。

最期は赤ん坊の姿になって介護者に抱かれて息を引き取るベンジャミンと、現実世界で介護を必要としているお年寄りたちは中身は一緒なのだ。

「ベンジャミン・バトン数奇な人生」は、見た目はなくその内面を見抜いた人々とベンジャミンが交流していく。

現代の介護の現場では、お年寄りの外見に愛らしさを感じる事は難しいかもしれないが、しかし考えてみれば老化とはベンジャミンが辿った最後の数年間のように、赤ん坊の成長を逆回しにしたようなものだ。

老化の道程をその人が赤ん坊に還っていくものなのだと思えば、愛らしい幼児の頃の姿が想像できるかもしれない。

そうすればその老人も、かつては一人の赤ん坊だったのだと思い至ることが出来る。介護の現場では、そんな想像力も必要だと、「ベンジャミン・バトン」は教えてくれているのかもしれない。

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